英語のリスニング力向上には相応のトレーニング時間が必要です。
だからこそ、やみくもにがんばるのではなく、リスニングにまつわる様々な実情を知っておくことも大切です。
たとえば、帰国子女でさえ洋画は字幕付きで観てる事実ひとつ知っておくだけで、リスニング力に過剰な期待をすることなく、各自の実情に合った適切・適量の努力範囲が見えてくると思います。
目次
1.英語リスニングで疑うべき常識❶:英語上級者は全て聞き取れている?
1)全部聞き取れなくても工夫次第で理解はできる!
この記事の著者である私は英語に対して3つの疑問を抱いていました。それは初めてのアメリカ出張が発端でした。TOEIC800点後半ぐらいのスコアを取り、英会話学校にも通い、準備万端で私は海外出張へ出かけました。一週間の滞在でしたが、最初から最後まで全く英語が聞き取れませんでした。これは私の完全な想定外でした。TOEIC800点後半であれば、日本では英語上級者寄りだと自分では理解していました。また英会話学校ではたくさん表現を暗記したので、会話が成立しないなど想像もしていませんでした。加えて大学受験でも英語は相当頑張りましたので、アメリカで全く会話が成立しないほど聞き取れないことも完全に想定外。
よく言えば、このショッキングな出来事のおかげで、私は20代後半で英語幻想から目覚めることができました。確かに受験英語もTOEICも英会話表現の暗記も「リスニングの素」は十分に身に着けたていた。しかし「リスニングの実践」についての知恵も体験もその時の私は全く持ち合わせていなかったのでした。言い換えますと、受験英語もTOEICも英会話も決して無駄な努力だったのではなく、その努力を実践につなげる「あともう一歩の工夫」こそが私の課題だったのです。
2)英語教師でもリスニングは難しい
そもそも「受験英語、TOEIC、英会話レッスンをがんばれば、英語は聞き取れるはずだ」という認識はどこから来たのでしょうか?私にとってその一番目の原因は英語教師だったように思います。中・高・大の英語教師たちの知識は学生よりも潤沢に持ち合わせていましたし、そんな彼らが英語が話せないとか聞き取れないという実態を耳にすることはありませんでした。しかし私は自分が英語教師になってはじめてわかりました、教師は基本的にリスニングであれ何であれ、正解をあらかじめ知っている状態で授業をしているのであり、ビジネスパーソンのように、その場で初めて英語を聞かされてその理解を試されるようなことはないことを。
教師の役割の一つに「生徒にとってのお手本」があると考えれば、「英語を聞き取れず苦戦している姿」を生徒に積極的に開示する英語教師などいるわけもありません。これは私も例外ではありません。ただ、英語教育業界に転職し、彼ら自身もTOEIC高得点獲得に躍起になっている現実を見るにつれ、「英語教師は英語が聞き取れる」という幻想は完全に私の中で消えていきました。このことから、一般人よりはできて当然と思われがちな英語教育者でも相当な努力をしないと海外赴任レベルのTOEICスコアの取得は難しいことは心得ておくべきでしょう。
3)帰国子女でも字幕を使う
実際に帰国子女と親しくなると、「実は、映画は字幕を見ている」という本音が聞けたりします。また海外で英語漬けになった時期も重要なようで、高校から大学あたりで英語圏で過ごした人は割とバイリンガルスキルを体得している一方、年齢が若いうちに日本に帰国してしまうと、「小さい頃はペラペラだったのに・・・」ということになるようです。「映画は字幕を見る」と打ち明けてくれた帰国子女はビジネスパーソンであったため、英語が完璧でないことは彼にとっては何ら恥ずべきことでもなかったようですが、一般的には「帰国子女=英語ペラペラ」のイメージが付きまとうため、わざわざ自分からこのイメージを壊そうとする人もそう多くはないかもしれません。
4)海外駐在員やその他上級者から聞いた実話
海外駐在員の中でも、英語をモノにした人たちは、現地赴任後も英語学習は続けていたようです。特にリスニングに関しては、ずっとラジオをつけっぱなしにしたり、相当な量を聞いていたという話を駐在帰りのマネジャーから聞いたことがありました。
こうした事例から、リスニングというのは、比較的英語ができると思われている人たちにとっても相当高いハードルだということがわかります。この高いハードルを越えるには「がむしゃらにがんばる」という量に訴える学習だけでは限界があります。本ブログでは、「量より知恵」をコンセプトに、以下、可能な限り問題解決の知恵を提供してきますので、どうぞ最後までお付き合いください。
2.英語リスニングで疑うべき常識❷:たくさん聞けば伸びる?
1)量だけでなく質や環境も重要
リスニングで誰もが疑わない常識として、「たくさん聞けば聞き取れるようになる」というものがあります。しかし多忙なビジネスパーソンの場合、これはなかなか難しいことだと思います。「たくさん聞くことは無駄だ」ということではなく、「効果的な状態でなるべくたくさん聞く」というところを目指していくとよいでしょう。「効果的な状態」とは、「ゆっくりであれば聞き取れる」「スクリプトならスムーズに理解できる」という英語のことです。逆に言えば、スピードをいくら落としても聞き取れない英語、スクリプトでも理解できない英語をたくさん聞いても、分かる日はやって来ないということです。
2)英語4技能におけるリスニングのポジション:全体図
私がTOEIC900点を超えた時を振り返りますと、その時期の特徴として、膨大な英文を毎日読んでいたことが挙げられます。しかも仕事上の英文なので、それなりのスピードで読むことが求められました。個人的には、この大量の英文の速読がリスニング力を鍛えてくれたように思います。また、実際生徒さんの中で1年間多読と速読に特化して英語学習をしたところ、TOEICスコアが初級レベルから上級に跳ね上がった方もいましたから、多読速読はリスニング力アップの意外な盲点であることがわかります。これを図解するとこうなります。
【図1:英語4技能関連図】
今度は聴解力が育まれていくステップを階段で表してみます。
【図2:聴解の階段図】
この図から、段階をとつひとつ踏んでいけば、着実にリスニング力が身に着けられることがイメージできるかと思います。たくさん聞くという戦術は皆さんの貴重な時間を奪う行為でもありますので、少しでも無駄が生まれないようにしたいものです。そのためには、「このトレーニングをしばらく続ければ上達しそうだ」という感覚、あるいは同じトレーニングを反復した際、5~10回以内で理解度に変化が見られたかどうかを目安にしましょう。変化がないときは、そのトレーニングが簡単すぎるか難しすぎるかのどちらかです。いずれにせよ鍛え方にはムラ、ムリ、ムダがあると考えた方がよいでしょう。
3)リスニングを支える要素
読者の皆さんは、日本語がわかりにくい方とお仕事をご一緒されたことはありますか?私の場合、どういうわけか、外資系企業でそういう人たちと割と多く遭遇しました。それなりのポジションであったり、仕事もできる人に属する方が多かったのですが、おそらく、思考回路が一般人より早すぎて、通常なら起承転結をたどるべき話が、「起→結」みたいに聞こえてしまうんですね。しかしそれでもしばらく一緒に仕事をしていると、それとなく言いたいことが把握できるようになりました。今から思うと、その人の話す癖、思考の癖、だいたいの価値観などが理解の助けになっていたのだと思います。「あの人なら、こういうとき、こう考えるだろうな・‥」みたいな推測ですね。実はこれを英語に置き換えてみると、やはりある程度飲食をともにしたり、小さなコミュニケーションを積み重ねて、その人の性格や価値観の外郭が見えてきたとき、英語も不思議とわかるようになったりします。これこそ、AIではできない、人間ならではのスキルと言えるでしょう。
仕事で任せられる領域が増えてきますと、そうした背景知識が英語力不足を補ってくれることがあります。「英語は速すぎて聞き取れなかったけど、こちらの提案に肯定的であることだけは読み取れた」みたいな理解ですね。特に若いビジネスパーソンの場合、外国人同士の会話が見えないのは、純粋な英語聴解力の問題だけではなく、彼らが共有しているビジネス背景が不足している可能性があります。実際、研修当時はTOEICのリスニングで苦戦していた生徒さんと数年ぶりに再会したとき、のびのびと英語の会議を楽しんでいると報告を受けたことがあります。ポジションも少し上がっていたようで、TOEICのリスニングスコアの伸び以外にも、その生徒さんが数年間で積み上げたビジネス経験もリスニングを助けてくれているのだと推測されます。
以上を図にするとこんな感じになります。
【図3:TOEICリスニングと日本語背景知識拡充の合わせ技で聴解力不足を補う】
3.英語リスニングで疑うべき常識❸:何はともあれTOEICリスニング高得点を狙うべき?
1)TOEICのリスニングとリアルリスニングの違い
「TOEICはあくまでテスト」
ここをしっかりわきまえておくと、わずかなスコアの上下動にあまり一喜一憂しなくなります。TOEICはテストなので、たとえば”メモ書き禁止”や”二度聞き不可”のようにあえて負荷を高くしてあります。それはある意味、リアルな世界では不自然なことであり、裏を返せば、リアルな世界では、リスニング力不足をカバーする方略はいくらでもあるということになります。ということで、TOEICとリアルのリスニングの違いを一覧にしてみました。
【図4:TOEICとリアルのリスニングの違い】
リアルの方はいくらでもリスニング不足をカバーする方法があることがわかりますね。ただ、電話番号や型番などの細かな情報はTOEICでは問われなくても、実務では問われたりしますので、注意しましょう。とはいってもメモすればこれらの問題はすべて解消されますから心配無用です。
2)実務でのリスニング力不足をカバーする知恵
4.英語リスニングで疑うべき常識❹:シャドーイングは最強のトレーニング法?
1)克服課題によってリスニングトレーニングは違う
筋トレ同様、英語リスニングも、今どこを鍛えているのかを意識し、特定の場所を鍛えるためになるべくそれ以外の場所の負荷を抑えるようにしましょう。一例を言いますと、「読めば理解できる英語を音声だけでも理解できるようになる」ことを目的とするなら、不明な単語の意味は先に確認しておき、まずは「読めば理解できる英文」にしておくということです。こうしたトレーニングの下地作りを忘れてしまうと、新出単語だらけの英文をずっと聞き続けることになり、「聴いている時間量の割にリスニング力向上を実感できない」という事態に陥ってしまいます。
【図5:主なリスニングメニュー:効能と留意点】
参考までに、主なリスニングトレーニングについて解説した動画を紹介しておきます。聞いていただく内容はビジネス寄りなので、好みが分かれると思いますので、リスニングトレーニングのやり方がわかったら、それ以降はご自分の好きな動画や音源でやるようにしましょう。
【TEDを使った長文リスニングトレーニング】
2)シャドーイングのコツ
リスニングトレーニングの定番でもあるシャドーイングは、鍛えている場所を常に意識すると効果的です。特に何も意識しない場合でも、回数さえやっていればいずれできるようになりますが、単純に、何度も声に出しているうちに口が動きやすくなっていたり、英文を暗唱してしまっていることがあります。そういう場合、確かにシャドーイングそのものは滑らかにできるようにはなったが、聴解力の鍛錬には結びついていない可能性もあります。
【図6:リスニングにおけるシャドーイングの担当領域】
上記の図からもわかるように、聞いた音を即時に自分の声で再生するシャドーイングは、英語音の文字化までを担当しています。日常生活のリスニングは、そこからさらに進んで意味や映像化までを担います。この図をイメージしておけば、どんなシャドーイングが効果的か、あるいは効果的でないかもイメージできるようになります。例えば、読んでも理解できない英文でシャドーイングをしたとしましょう。何度もやっていれば、とりあえず英語に合わせて口は動かせるようにはなります。しかし、その先の意味化や映像化に進むことはできません。一方暗記してしまった英文や簡単な英文でのシャドーイングは、すでに通常のリスニングができてしまっている状態なので、わざわざシャドーイングするまでもありません。こうしたことから、「少しでも意識を外してしまうと聞き逃してしまう難易度の英文」「かなり意識を集中すればなんとか理解できそうな英文」がシャドーイングにちょうどよい英文ということになります。具体的には解答済のTOEICリスニング問題や、読めば十分理解できそうな英語教材の音源などを使うとよいでしょう。ネット動画であれば、英語や日本語の字幕で内容をほぼ確認してから、字幕を解除して、シャドーイングしてみるのもよいでしょう。
なお、シャドーイング(聴きながら再生)とリテンション(聴き終えてから再生)の違いについては、こちらの動画を参考にしてください。
【動画:シャドーイングショート動画】
5.英語リスニングで疑うべき事例❺:日本語字幕に頼るな?
1)英語の守備範囲
私はかつて医療器械のプロダクトマネジャーをしていました。エンドユーザーである医師たちと海外の学会に同行して実感したのは、専門性の高い領域になるほど、英語力よりも日本語での知識量が理解度を決めるということでした。つまり、大学受験以降取り立てて英語を勉強しているわけではないけれど、特定領域における日本語での知識が、英語のプレゼンや、英語の論文の理解を支えているということです。逆に言えば、英語力の研鑽に励んできた私の方が、大急ぎで日本語の論文を読み漁って、日本語の知識をカバーする必要がありました。その背景は二つ。一つは日本語の知識が増えるほど、その領域の英語も理解できるようになること。もう一つは、器械屋の私にも一定の知識があると、クライアントである医師たちが提供してくる情報の質と量も変わるということ。
英語教育界に転向して感じたのは、まさにこの部分の希薄さです。当たり前と言えば当たり前なのですが、英語研修では英語の知識向上を一番のゴールに設定しますが、実際のビジネスは、この日本語ベースでの知識の質や量に英語も大きく引っ張られてしまうのです。実際に多世代プレゼン英語研修を行った際、英語が一番うまかったのは若い世代のクラスでした。一方英語は初級レベルでありながらも内容が最も充実していたのは中年以降のクラスでした。海外のビジネスパーソンが耳を傾けるのは、内容が充実していた後者のプレゼンの方であることは言うまでもありません。
こうしたビジネス現場や研修現場での体験から、英語力向上のために、日本語での知識の拡充は非常に重要だということを実感しました。これを英語リスニングにも応用しない手はありません。
2)日本語を最大活用した英語リスニング勉強法
それでは実際に、日本語知識を拡充した上での英語リスニングをやってみましょう。なんでもよいので、英語で聞いてみたいテーマを決めます。そのあとで、すぐに英語のリスニングへと進まず、敢えて、その領域の日本語のネット情報や動画にアクセスして、日本語の知識武装を図ります。これがある程度できた段階で、英語の動画の視聴に進みます。例えば、【水素】を使ってこの手順を追ってみましょう。
STEP1: グリーン水素について日本語の動画を視聴
STEP2: 英単語hydrogenの動画を視聴
STEP3: Green hydrogenの英語動画を視聴
いかがでしたでしょうか?相応の背景知識ができていた状態で英語を聞くSTEP3は、上級者であれば英語でそのまま理解できる状態、初中級であれば「英語的にはわからないところもあるが、内容的にはほぼわかった」状態を味わえたのではないでしょうか?外国語や英語そのものに興味のない人にとって、英語リスニングは虚しい反復作業に感じてしまい、これが続かない原因になることがあります。その点、このやり方であれば、表向きは英語リスニングトレーニングではあるものの、自分の中の知識も拡充されていくいので、知的充実さが反復リスニングの退屈さを相殺してくれることでしょう。私自身も、このアプローチで、「同じ内容を何度も聞く時間の虚しさ」を克服してきました。
6.英語リスニングで疑うべき常識❻:聞こえない音は発音を学ぶと聞こえるようになる?
1)その音はおそらく半永久的に聞こえない…
ブログ著者の私が中国語学習を通して実感したことがあります。それは、自分が発音できない音は聞き取れないということです。以前、カタカナ英語丸出しのお笑いタレントが英語圏でミッションを達成する番組がありました。「カタカナ英語でもこれだけできる」というお手本として一部の英語教育者からも好意的に受け取られていました。ただ、あの番組でよくわかったことがありました。それは、カタカナ丸出しのそのタレントさんは、見事に生の英語を全く違う単語に解釈していたこと。この姿を見て、やはり「自分が発音できない音は認識されない」は紛れもない事実だと実感しました。
ただ、自分の中国語に置き換えてみますと、そうとは断定しきれない一面があります。難しい中国語の発音を自分ができるようになると、その音がはっきりと聞こえるかと言えば決してそうではなく、文脈などの力なども借りながら、うっすらと聞き分けているというのがリアルな感覚です。ですから、個人的結論としては、「ある程度、きれいな発音に通じておくことはリスニングにはプラスになるけれど、実際のところ、それ以外の、文脈などの力も多分に聴解には寄与している」というのが現実的なところです。特に英語の音声変化においては、聞こえないものは半永久的に聞こえることはなく、「そう聞こえるものだ」という知識によって折り合いをつけているのが現状です。
この現実をシンプルな表現に落とし込むとこんな感じになります。
Not at all(どういたしまして、気にしないで)は、これからもやはりナラローと聞こえることには変わりありません。上級者になったからといって、Notのtや、atのtがクリアに聞こえるようになることはありません。ただ、「”ナラローと聞こえるのは実はNot at allのことだ”という知識を使って、その部分はさらっと聞き流しているのが上級者」ということになります。
参考までにリスニング、ならびに、相手に伝わる英語を話す上で最小限必要な発音について動画にまとめてみました。
【発音とリスニング】
2)「音が聞こえる」と「意味がわかる」の違い
細々とした発音の違いまで完璧に聞き分けることは非常に難しいものです。しかし、だからリスニングも難しいかと言うと決してそうではありません。Not at allのNotのtもatのtも聞き取れなくても、「Not at all =ナラロー=どういたしまして」という知識で私たちはそれとなく理解しているようなことが多々あります。中国語の「我是日本人」と「我是美国人」の発音はかなり難しいのですが、これも実際には十分聞き分けられるのも、やはり私たちは文字としての知識なども使って聞いているからなのだと言えます。
実際に生徒さんから、「”She is a student.”の最後のtが何度聞いても聞き取れるようになりません」というような悩みをいただくことがよくあるのですが、私はだいたいこんなふうに答えています。
「そうですよね。そのtは、上級者もネイティブスピーカーも実際にはよく聞こえていないはずです。でも文として、知識として、ここに入るべき単語はstudenという単語ではなくて、studentだということを知ってるので、聞こえない音に悩むことはありません。ある人に聞こえない音は、やはり他の人も聞こえないことが圧倒的に多いです。ただそれで行き詰まる人とそうでない人の違いは、音以外の知識の差によるところが大きいと思います。文意が理解できる限り、そこに聞こえにくい音があってもそれほど気にする必要はありません。むしろ聞こえなくても推測できるだけの知識を増やすことや、英文と音声のギャップに慣れていくことの方が重要です。」
7 . 英語リスニングで疑うべき常識❼:英語嫌いは英語リスニングに不利?
以上、英語リスニングにおいて疑うべき常識を見てきました。最後の常識は「英語がり好きにならない限り、リスニングも上達しないのでは?」というものです。そもそも聞くと言う行為は、聞きたいものがあるから成立するものであり、英語の好き嫌いや英語の得意不得意は決定的要因ではありません。皆さんも、どうしても聞きたいものがあれば、いろんな方法を使ってそれを理解しようとするでしょう。どうしても内容を知りたいのですから、字幕があればそれは必ず使うでしょうし、日本語で予備知識が得られるのであればそちらにもアクセスすることでしょう。実際仕事の英語は、好き嫌いを通り越して、淡々と情報にアクセスし、消化し、そこから仕事に必要な情報を編集しています。大好きな洋楽が聞き取れない時も同様です。ネットで歌詞検索して内容を味わったうえで英語の音を再度楽しむ方は多いと思います。
「英語」を好きになることより、好きな「コンテンツ」にこだわりましょう。その好きなコンテンツがたまたま英語で発せられているものであれば、楽しみながら英語リスニングのトレーニングを積み重ねていくことが可能です。