英語読めるけど話せない学習者向けの原因と対策~グローバル人材育成(語学)のヒント

学校でも受験でも「英文読解」はそれなりにやってきたから、英語はある程度は読める。その一方で、話す方になると全くお手上げという方もたくさんいらっしゃると思います。

でも安心してください。これまで身に着けた「英文読解力」は決して無駄ではありませんので。なぜならば、英語の4技能であるリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングはどれもお互いに関係しあっているため、スピーキング力に他の3技能の力がそれなりに貢献しているからです。

「読む力」というリソースを最大限に活かしながら、英会話力につなげていく道を一緒に見ていきましょう。

  
 

I.  英語5技能の関連性

今回のテーマは「英語が読めるのに話せない」という問題です。このテーマを深く探っていく上で、他のスキルがスピーキングとそれぞれどのように関連しているのかをここで一通り押さえておきましょう。

1.リーディング

多くの学習者にとって、リーディングの世界よりスピーキングの世界の世界の方が小さいです。図にするとこんな感じですね。


つまり、リーディングの世界を広げると、スピーキングの世界も広がるということです。これはペラペラ話せるというよりは、リーディングにより話す際に必要な話題が豊富になり、「話したい」というモチベーションが育っていくということです。リーディングを広い意味でとらえると、日本語での読書や情報収集もとらえ方によっては、「英会話の元となるネタ作り」という点でスピーキングに貢献しています。

英会話の元となるリスニングやリーディングの鍛え方については以下を参照してください。

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2.リスニング

英会話レッスンを受けるとわかるのですが、人によっては、話せないこと以上に相手が言っていることが聞き取れない課題を痛感したりします。話す方は自分自身の手持ちの文法・語彙・表現を使いまわせば何とかなります。しかし、リスニングの方は、相手側の話す英語にこちらが合わせることになるので、自分の理解を超えた語彙や表現で話されると理解が追い付かなくなります。この点を考えると、現在話す相手がいない場合は、英会話の2大要素のリスニングの方だけを当面鍛錬していくのも一計ですね。「自分の方はなかなかうまく話せないけど、相手が言っていることはわかる」という部分を育てていくイメージです。

 

英会話2大要素の一つであるリスニングの鍛え方は以下の関連記事を参照してください。

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3.スピーキング

英会話の栄養源は「とにもかくにも話したいこと」です。日頃使っているSNSに1語から2、3語程度の英語を入れることで、「短い第一声を出す」予行演習ができます。自動翻訳は、簡潔なメッセージほどきちんと訳してくれるので、いきなり英語発信に抵抗がある場合は、自動翻訳を大いに使いましょう。SNSの使い分けとして、多少長めの文ならTwitter、単語だけとか短文ならインスタグラムがよいかもしれません。実際Twitterでは、自分の日記代わりに英語で発信している方もよく見かけます。一方インスタグラムであれば、写真の感想を英語で入れている方もいます。可愛い写真だったら、So cute!とひとこと書き込んでみましょう。参考までに、スピーキングの攻略法について図解した動画をアップしておきます。興味のある回だけでもぜひご覧ください。

【動画:図解英語スピーキング攻略】

4.ライティング

SNSは現代の「書く英会話」ですから、実際に声は出さなくても、将来の英会話の予行練習になります。実際に英会話レッスンを受けるとわかるのですが、長文が話せないということ以前に、ちょっとしたひとことがななかなか口から出てこなくて、会話が続かないということがよくあります。そうしたことを想定しつつ、日頃から短い英文をSNS上で書いてみることをお勧めします。また、すべてが英文になってしまうと、そもそも読み手側のハードルが上がってしまうこともありますから、日本語の中に少しづつ英文を織り込んでいくのが無難かもしれませんね。食べ物の写真を見たら「わぁおいしそう!It looks delicious!」みたいな感じです。

 

5.フィーリング

人の能力には程度のこそあれ凹凸があります。その中で言語系が抜きんでているなら、ぜひ英語という新しい世界に踏み入れてみましょう。一方、言語系が苦手な方であれば、言語とは違う要素として、フィーリング中心で英語の世界に入ってみるのも一計です。個人的体験として、スポーツジムのスタッフさんなどは、何ら身構えることなく、外国人の方々とコミュニケーションを取られている方をよく見かけます。そんなに英語をたくさん話している様子はないのですが、意思疎通がとてもスムーズなのは、何かノンバーバル(非言語)的要素がそこにあるのではないかと私は勝手ながら想像しています。

 

II. 「話せるけど読めない」VS「読めるけど話せない」

1.「話せるけど読めない」の世界

1)   外国語の中にある「話せるけど読めない」の世界

英語以外の外国語を学ぶと、「読めるけど話せない」だけでなく、「話せるけど読めない」世界があることがわかります。例えば韓国語。「チョヌン ヨンオキョサ ルル ハゴイッソヨ(私は英語教師をしています)」みたいなレベルであればある程度話せる人でも、これをハングル文字で書かれたときに読めるかどうかとなるとハードルがぐーんと上がります。つまり、会話から入る場合、文字理解がなくても、あるいは弱くても、どんどん音声だけで話せる領域を広げていくことは可能です。

2)英語の「話せるけど読めない」の世界

英語も韓国語同様に、カタカナでいいから話したいけど、読む方は特に伸ばしたいとまで思わないと言う方もいらっしゃると思います。そういう方は、リーディングは脇に置いて、カタカナでいいから独り言でどんどん英語を使ってみることをお勧めします。日本にいながら日常的に英会話を行うことは非常に難しいので、独り言でどんどん話すのがさしずめ現実的な練習法です。

2.「読めるけど話せない」の世界

1)  外国語の中にある「読めるけど話せない」の世界

私の場合、韓国語はまさに「話せるけど読めない」外国語ですが、一方中国語になると、ドラマの字幕などは漢字からおおよそ意味を推測ができる一方、話す方は発音の壁があり、韓国語ほどは気楽に話せません。つまり私にとって中国語は「(初級レベルではあるが)ある程度読めるが、それを音声化して話すことはできない」外国語です。

2)英語の「読めるけど話せない」の世界

英語も同様です。読むことはできるけど同じくらいに話すことはできない方はたくさんいらっしゃると思います。

ここで、専門的な会話をしたい場合には、リーディングの世界を当面拡大させ、話したいネタを増やしていくのも一計です。しかしこれですと、すぐに話せるようになるわけではないので、あまり悠長に構えたくない方であれば、やはりスピーキングに特化した何らかの施策を講じた方がよいでしょう。

III. 「読めるけど話せない」原因と対策

1.「読む」と「話す」ハードル設定のバランス

さて、今回の本題である「読めるけど話せない」の世界に入っていきましょう。このチャプターでは、「読めるけど話せない」原因と対策について見ていきます。

まず一つ目に考えたいのが、「読む」と「話す」のハードル設定のバランですです。

多くの方の場合、読める世界の方が話せる世界よりも大きいです。受験などで読める世界が拡大し、読める世界の完成度が高くなるほど、それに比べたときの話せる世界の小ささが気になるのだと思います。ここで必要なのは、高いレベルの「読む」から低いレベルの「話す」に意図的に降りる勇気です。「読み」に伴うプライドを捨てて、「話す」の世界を生きてみるということです。受験も含めると、そこに投入してきた時間が「読む」と「話す」では違います。そこにギャップがあるのは当然なことです。ここを自分で受け止め、低いハードルで話すことを心掛けるだけでも、言葉は口から出やすくなります。

2.「読める」世界がまだ小さい

英会話レッスンをずっと受けているけれど成長が感じられないことがあります。これは、そもそも話す話題がいつも限定的であるために、会話が広がらないことが考えられます。これは「読み」の世界がまだまだ小さいということでもあります。「話せない」というよりも「話すことが少ない」という場合には、書籍であれサイトや動画であれ、いろんなものを読んで、「話したい話題」を増やす、すなわち「読める世界」を育てていくことに当面は専念してもよいでしょう。

3.「話したいこと」がまだ定まっていない

実は私が英会話レッスンを受けようと思わない理由がまさにこれです。わざわざ外国の人と話したいと思うようなネタがないのです。英会話の先生であれば、それでも向こうから色々と質問を投げかけてくれるには違いありません。でも相手からの誘導がなければ成立しない会話はおもしろくないです。やはり会話って、話したいから話すものだと私は考えています。この場合は、英語を話す力を伸ばすことより、「海外の人にどうしても伝えたい」と思える話題を根気よく探していくのがよいと思います。

自分のコンテンツの膨らませ方に関する関連記事については以下参照してください。

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4.「話す」の階段がイメージできていない

英語が話せない人は、案外、自分でそのハードルを上げてしまっていることがあります。日本人の場合、学校で文法を相当学ぶので、英語に対する要求基準は知らないうちにかなり上がっていたりします。「こういう言い方、ネイティブはするんだろうか?」という問いがその典型例です。もちろんこの問い自体は向学心の表れなので、十分尊ばれるべきものですが、その問いは、「とっさの一言が出てくる」「とりあえず伝わる英語を発信する」という階段の下の方をクリアしてから取り組んだ方が消化しやすいです。

 

他にも、日本語に概念がない冠詞の使い分けも気になるところです。この部分をしっかり勉強することは全く問題ないのですが、「話す」にこだわるのであれば、やはり冠詞も「話す階段」ではかなり上方部の課題であることは知っておいた方がよいでしょう。このように、まずは階段の下方部から着実に話せるようになろうと思うだけで、手持ちの英単語で今からきっと話せるようになると思います。部屋が暑ければ「Hot!」とひとこと発する。これならばほとんどの方が話せるはずです。

5. ツールを使いきれていない

このブログを読んでいる方の多くが大人の方だと思います。それであれば、語学は「ずるく」やっていきましょう「ずるく」とは自前英語にあまりこだわらずに、自動翻訳などの力を大いに頼るということです。ここでプライべートとビジネスの用途で線引きをしておきましょう。つまりプライベートでは、とりあえず自動翻訳を大いに活用する。もちろんそこで不自然に感じる部分は自分のセンスで適宜言い直す。一方ビジネスでは、自動翻訳丸投げのリスクをしっかり認識して、仮に使う場合でも、必ず自分の目でその英文をチェックしてから相手に送るようにしましょう。自動翻訳はある程度の分量になると訳し漏れが出てきますし、内容によっては逆の訳になることもあるため、ビジネスでの用途は要注意です。

6.受験モードを引きずっている

社会人向けの英語教育をして強く感じるのは、受験英語や学校英語モードの影響の根深さです。あれこれ表現を覚えたりする前に、まずは、私たち大人は学校英語から完全に自由であることをここでしっかり確認しておきましょう。以下に、学校英語と社会人の英会話の違いについて比較した図を示しておきます。

 

いかがでしょうか?社会人英語の方がはるかにハードルが低いことがおわかりいただけるかと思います。もちろん学校英語が無駄だったわけではなく、それがあるからこそ今、楽しく英語が学べるわけです。ただ、学校英語で苦い思いをした方も、もうそのことは気にしなくて新たな気持ちで学べるということなのです。

学校英語から解放された大人ならではの英語学習については以下の関連記事を参照してください。

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7. 英語に対する日本人特有のメンタリティ

何か英語以外の外国語を学ぶと、英語に限定される日本人独特のメンタリティが見えてきます。メンタリティは個人個人で違うので、以下にお話しすることはあくまでも私の印象としてお聞きください。

例えば、私は周囲に、英語以外にも中国語と韓国語を学習中であることを公言しているのですが、この二つを「ちょっと話してみてください」と言われることはありません。しかし、英語は違います。「ここで、ちょっと英語でスピーチしてもらえますか?」とか「何か英語で話してみてください」とよく言われます。英語には何か「お披露目するもの」というような扱われ方が伴うことが多いのですが、こうしたことは中国語や韓国語などの他の外国語ではあまり起こりません。一言で言うなら英語へのあこがれのような感覚ですね。

純粋なあこがれであればまだいいのですが、これに「お手並み拝見」という話す側にとっては手ごわい感覚が加わります。日本人のほとんどが学校で英語を学習した経験があるため、発音の上手下手や、文法的な間違いに対する「審査眼」をある程度持っています。これが稼働するために、「今、あの人、toを入れてなかった」とか「あれ?TOEIC900点と言う割には発音下手だな」とか「一億英語総評論家」みたいなことが起こりやすいのです

こうした、憧れと厳しい審査眼に晒されると、人前で不完全な英語を話すことに二の足を踏むようになってしまうのも致し方ないところがあります。

私自身がそうでした。ビジネスパーソン時代は、「伝わればよい」精神でガンガン英語を話していたのに、英語講師に転身した途端、生徒さんたちの厳しい「英語チェック」の前に、私は一時期、英語が話せなくなりました。しかし、原点に戻り、「こういう完璧主義こそが日本人が英語を話せない一番の原因」ということを再確認し、「不完全な英語でも臆せずに外国人と渡り合う姿勢」を自分の英語を通じて見せていこうと、気持ちを新ためたことで、昔の自分を取り戻しました。

とはいえ、あなたの英語をとやかく言ってくる”親切な”日本人はきっといるでしょう。そんなときは、”アドバイスありがとう”とニコっと返しておけば十分です。もしそれが有益なアドバイスなら自分に取り込めばいいだけのことです。逆に褒められたときも、”褒めてくださりありがとうございます。とてもうれしいです。”とその言葉をきちんと受け止める。褒め返したり、謙遜したり、いろいろと作為的なことにあまり首を突っ込まない方が、のびのびと英語を話せるようになります。

8.話す目的が不明瞭な状態で「英会話」だけにこだわる

特に話したいことがないのに、「英会話をしたい」とか「英語を話せるようにならなくちゃ」という気持ちの方が先走ってしまうと、気持ちが空回りすることがあります。私自身も、職業上、英語を話す練習をしたいものの、それだけの理由で英会話レッスンを受ける気にはどうしてもなりませんでした。

そこで私は、一旦「英会話の練習」という課題を棚に上げました。そしてひたすら自分がやりたいことをやっていました。そこで英語とは全く関係のないLINE仲間ができました。メンバーに英語を話したい人がいて、その人から英語のメッセージが来て、私もそれに英語で応えました。そのあと他のメンバーも英語で発信するようになり、気が付くとオールイングリッシュのLINEグループになっていました。英語が目的ではなく、本来お互い興味のある話題でつながっているので、言語が英語に変わっても積極的なやりとりは続きます。ですから、がんばって英語で発信しているという自覚は私にもメンバーにもあまりないように思います。

このLINE英会話が継続している理由を挙げてみます。

① メンバーに英語が得意な人がいる場合でも、一英語ユーザーの立場を貫き、当人も英語発信を純粋に楽しむ

② 相手からの英語がわかりにくかった場合には、正しい英語を教えるというより、「それってどういう意味?」とか「それって、こういう意味?」と質問をする。 英語教授より情報交換の姿勢をキープ

③ 英語学習を目的化せず、あくまでその時々の気分で、言語を日英選ぶ

④ 長文は段落単位でスペースを確保して、文字の圧迫感を緩和させ、長文が苦手な人へ配慮。

私自身、英会話を習うモチベーションがないので、特に①は重要だと感じています。教えるとか教わるのではなく、お互いにコミュニケーションを純粋に楽しむ。これ以上の継続のコツはないと思います。③のゆるさも継続のポイントです。あまり最初から気合を入れてしまうと息切れしたり、楽な日本語のやりとりに戻ってしまう可能性があります。重要な話、なかなか英語では表せないことは日本語で全く構わないという、緩い状態でいるようにしましょう。

逆説的ですが、「英会話」を脇に置いて、ひたすら自分がやりたいことに徹していると、どこか脇から英会話の道が開けるかもしれない、ということです。

9. 英会話トレーニングに質を求めすぎる

最初から英会話に質を求めてしまうのも、なかなかトレーニングが進まない要因の一つです。ここはトレーニングのハードルを大胆に下げて、まずは気軽にできることから始めましょう。質へのこだわりをそぎ落とすことで得られるのが、会話に必要な反応スピードと練習量です。以下にいつでもどこでも手軽に始められる英会話トレーニング法を紹介します。相手不要、ネイティブチェック不要の英会話トレーニングなのでかなりお勧めです。

<お勧めトレーニング①:ゼロ時間学習>

・効果:いつでもどこでもすぐに始められるので、英語スピーキング脳内トレーニングが習慣化する。

・やり方:

日常生活で見つけた日本語のチラシ・ポスター・日用品のパッケージ・看板など、手当たり次第頭の中で英語化する。「うーん、洗剤って英語で何っていうんだっけ?」と単語を調べたいときのみGoogle 翻訳で調べるか、ネットに「洗剤 英語」と入力して検索。

<お勧めトレーニング②:メッセージの要約>

・効果:英会話では、常に「結局何が言いたいのか?」を明確にする必要があるので、長々と英文を作る前に、一番言いたい結論を英語化しておく。あとはその結論を補充するための情報を加えていくことができる。

・やり方:

STEP1: 言いたいことを頭の中でイメージ。STEP2: それに英語のタイトルもしくは要約を作る。

日本語文、英文ともに「1日5分ビジネス英語トレーニング」(安達洋・岩崎ゆり子著 総合法令出版)101ページを参考に編集

<お勧めトレーニング③:スピード英単訳>

・効果:STEP1~3で、「英単語がすぐに口から出てくる」ようになり(スピード)、STEP4で正しい英文が話せるようになる(精度)。この両者を行うことで、会話に必要なスピードと精度両方が鍛えられる。

・やり方:

STEP1: 教材の和訳部分を用意し、和訳をそのままの順番で次々と英単語化・英語フレーズ化し、クリア返しながらこのスピードを上げる

STEP2: このままだと相手に通じない語順のままなので、仕上げにモデル英文を音読して終了

英文は「1日5分ビジネス英語トレーニング」(安達洋・岩崎ゆり子著 総合法令出版)102ページより抜粋。

10.話の運び方がイメージできていない

英会話というと、一文単位の日本語をどんな英語にするかがメインになりがちですが、英会話においては、個々の表現以上に、会話全体の「話の運び方」の方がはるかに重要です。特にビジネス英語の場合は、この「話の運び方」で成否が決まると言ってもよいでしょう。日本語でプレゼンをする場面を想像してみましょう。一文一文どんな日本語で言うかよりも、まずはプレゼン全体の流れを考えるはずです。交渉、すなわちネゴシエーションも同様です。「全体はこういう流れで進めよう」とか「相手がもしAと言ってきたらこんな感じ、Bと言ってきたら、あんな感じで進めよう」と、やはりここでも「話の運び方」をいろいろシミュレーションすることでしょう。これは英語でも同じです。「読めるのに話せない」という人は、まさに「読める」力を活用して、しっかりと「話の運び方」をリーディング感覚で観察してから「話す」へ進みましょう。

<「話の運び方」に慣れるためのトレーニング>

・効果:STEP1~2で、「日英共に話の運び方がイメージできるようになり、STEP3~5で「流れを見失わずに英語を話す力」ができるようになる。

・やり方:

STEP1: 教材の和訳部分を一文単位ではなく、ページや場面などなるべくある程度のボリュームがある単位で読む。その際、どんな話の流れなのかを観察する。この段階では英語表現のことは気にしない。

STEP2: STEP1で日本語での話の運び方を十分観察してから、英文をやはり一通り読む。その際も、一文一文よりも、英文全体の流れを観察する。

STEP3: 日英共に十分に「話の運び方」がイメージできたら、個々の英文表現を観察する。

STEP4: 個々の英文表現、ならびに英文全体の流れを意識しながら英語を聞く。

STEP5: 英語を聞いて話の流れがイメージできたら音読する。

市販のスキット形式(表現集ではなく、リアルな会話的やりとりがあるもの)のビジネス英語教材であれば何でもよいです。プレゼンとネゴシエーションであればこちらの教材もお勧めです。

【英語でビジネスコミュニケーション実践編:プレゼンテーション・ネゴシエーション(解説動画)】

【英語でビジネスコミュニケーション実践編:プレゼンテーション・ネゴシエーション(詳細情報)】

IV. まとめ

以上、「読めるのに話せない」についていろいろと見てきました。「読める」ということは、それなりの文法や語彙があるということでもあるわけですから、実は技術的な問題よりも、「話す」を阻む精神的な壁の方が問題だということもおわかりいただけたかと思います。

もう十分積み上げてきたものがあるのですから、あとはそれを臆せず出せる仲間や環境を引き寄せるために、自分の関心にしたがって、仕事でも趣味でも楽しんでいけばいいのです。いつか、「え?英語勉強してるの?じゃぁ、今度メールを英語でやりとりしようよ」「今度の飲み会、ちょっと英語縛りの時間作ってみようよ」「私の外国人の友人も紹介するね」など、きっと英語発話に関する何かが引き寄せられることがきっと出てくることでしょう。

こうした将来を引き寄せるためにも、自分が英語学習中であること、あるいは学びたいと思っていることはなるべくオープンにしておくとよいでしょう。人知れずこっそりと勉強してある日華やかなデビューを目指すことがカッコイイとされていた時代もありました。しかし英語に関しては、使ってこそ身につくものなので、早々にそのことを公表した方が、必要な情報や、英語発信の機会を引き寄せることができます

 

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